こい人しれず (暗恋) (原曲:妖々跋扈) - たま
词:笥箪
曲:ZUN
三つ折りにした手纸
ふすま越し背な合わせ
もう逢えぬやも知れぬ
せめて一目
衣擦れの音 かすかな吐息
気怠さまじり
青い火の燃ゆるは過去の昔
紅鮭の解した身のごとく
朝はしごく軽やか
灯籠の伫まいのごとく
夜は密かに
逆さまの影と狐火の往く
賢しらの猿は金切り声
びりりびりりと破られる音に
手遅れの気配が胸をしめる
控え目に抱き寄せた腕
一抓り白い指
今更よ莫迦ね
薄い微笑みに隠れた意味を
見落としていた訳ではないけど
三つ又の道の先うなる煙の都
もう何もが違えば
此処は何処
人波は早過ぎて横目に嘲りまじり
可哀そうに
あの御方化かされたね
朝焼けの眩しさは いつでも
あくびののち忘れて
夕焼けの怪しさは いつまでも
こびり付いたまま
路地裏の陰を黒猫が行く
傘売りの翁はささやき声
ひらりひらりと舞う紙吹雪に
遅過ぎる涙が頬を伝う
知らぬ間に差し出した指
一掴み知らぬ腕
あら何方かしら
薄い微笑みの意味など既に
有耶無耶のままに霞んで消えた